お茶の水は講演会や、特別にレモン画翠で模型材料を購入する時くらいしか滅多に行かないのだが、その講演会があり、久々行ってみました。
「A-Forum アーキテクト/ビルダー研究会」です。今回は設計者選定についてで、群馬県の新井さんのお話です。以前2年ほど前ですが、今教えている中央工学校の文化祭で同校ご出身の新井さんが講演されそれを聞いたのが一つのきっかけで、今回新井さんから教えて頂き、参加させていただくことととなりました。
建築する時、特に公共建築を建築する時、そのプロセスの中に設計者選定をすることの効果、と同時に、それに至るまでの経緯や困難だったことが説明されました。市民参加型の建築プロセスはいかに良いか、という表面的なことだけではなく、その背景にある行政のある種思惑みたいなものとか、本音とか、その舞台裏も窺い知ることができました。このことは、建築、そして建築設計に携わる者と、そうではない者の意識の相違や、困難さを浮き彫りにしたのと同時に、いかに設計者選定のプロセスが入った建築が、多くの市民にとって資するものなのか、その可能性も提示されることとなったのではないかと思います。群馬県に勤務しながら、その設計者選定をしながら建築することの仕掛けを数多くやってきた新井さんならではの説得力の高さだったのではないかと思います。
プレゼンではそもそも論など、ぶっちゃけ的な話、それを言っちゃあおしまいよ的なこと、会場では達観という言葉が時折出てきましたが、そんな達観論もあったのですが、でもそれって結局多くの人々が持つ本音の部分なのですから、設計者サイドとしては当然無視できない意見、思考だし、それも理解した上で、設計に取り組まなければならないことです。いくらこちらが、これが良いんですって言っても、そうは言っても、相手あっての建築だし、使う人あっての建築で、自分以外の人がいなければ自分もいない、というのはあるので、とても重要なお話だと思います。
新井さんのような方が数多く日本各地の行政に存するようになれれば良いなとは思うのですが、色んな思いを持った一人一人の人間が集まってものごと決まっていきますから、全ての人が新井さんになることは不可能に近いこと。でも、どうあることが理想か、そこに至るまでの困難さも含めて、その理想に近づくことへの可能性を持つことができた有意義な会でした。ご紹介いただきました新井さんには改めまして感謝申し上げます。ありがとうございました。
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