2011/10/27

直線直角論は昔も今も話題が尽きないですね。

ヴィトン主催の、建築家の妹島和世さんやキュレーターの長谷川祐子さん、そしてハーバード大学大学院デザイン・スクール学部長のモーセン・モスタファヴィさんをパネリストに迎えたトークイベント「建築環境の未来ー建築とアートにおける新たな空間的実践」を少々拝聴しました。その中で、長谷川さんの「元来自然界には直線というものがなく、直線や、直角と言ったモノは人間が作り出したモノだから、人はそのことで物凄いストレスを抱えていると思うのです」という発言があり、若干の違和感を感じました。なんかそのことは建築家の伊東豊雄さんも同じようなこと言って、初台オペラシティで昔、展覧会でグニャグニャな床を展示していたような気がしたな、とも思いました。
床も壁も天井も、あらゆる部分が水平垂直じゃないとしたら、逆に相当ストレスが溜まるのでは?と普通に思っちゃうな、やっぱり。だから太古の昔からグニャグニャな地形の中にも何とか工夫して平場を作り、できるだけそれに垂直な道具や壁を作り出し立体的にも空間を利用できるような広がりを模索していった、というのは普通の流れかな、と。
もっとも、そうは言っても自分の普段の設計でも、床にわざと段差を付けて空間を壁ではなく、床の段差だけで分節したりは良くするんですけどね。もちろん危なくない程度に。
直線直角論は昔も今も話題が尽きないですね。
こういった会のようにアートと建築を融合させて展示したり論じたりする方向と、建築を作るその場所の地域性だったり、人だったり、施主だったり、そういう、何というか人のある種生々しく泥臭い部分に主眼を置いて計画を進めていく方向とで、特に今年以降は更に2極化していくんだろうな、と思いました。聞き手に因っても感じ方は全く違うと思うし、ヨーロッパの人々とアジアの人々では全く違うと思うし、実に興味が尽きない手法の考え方です。

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