ぱっと目にして印象に残ったのでじっくりと目を通してみました。特集が、「ソーシャルビジネスって何だろう?」だったからで、今取り組んでいるArchitecture for Humanity Tokyo設立準備会にももちろん通ずるし、ずっと自分のやりたい方向の記事であるからです。
SB(ソーシャルビジネス)とは、<子育て支援、障害者・介護支援、環境対策、地域活性化、まちづくりなどの手法を活用して解決するビジネス>のこと、と言われています。(『月刊地球環境2010年2月号』より) 1年前の雑誌ですが、ネットなどで現在最新の定義を調べても変わっていないようですね。
そして、SBの要件として、
1.社会性
社会的課題に取り組むことが事業活動のミッションである
2.事業性
ミッションをビジネスの形として継続的に進めること
3.革新性
新しい社会的商品・サービスやそれを提供するための仕組みを開発したり、活用したり、広く普及すること
が挙げられています。(前出)
1.を中心としているのがNPO、2.を中心としているのが通常の営利企業、とも言えると思います。自分の中でもまだはっきりと定義づけられていないというか、良く判らない部分でもあるのですが、要は、NPO法人でも、企業でも、はたまた個人事業でもSBを本事業と絡めてやっていくのであれば組織の形態としては問わないのだと思います。
ただ、認定NPO法人になれば、税制上の優遇措置が受けられるなど法整備も整いつつあるようです。認定NPO法人に寄付する側も、される側も優遇されるのであれば、まだ寄付文化がそれほど根付いていない日本にも広まっていくのではないかな、と思っています。
そして、この本を読んでいて、ボクも気になっていたことがあって、読み進めていくと、やっぱり同じ事が書いてありました。以下はその抜粋です。
-多くの日本企業の経営者は、「ソーシャルビジネスと言うが、株主に配当し、税金を払えば、企業としての社会的責任は果たしている。それ以上に何をしろというのか」「理想、理念は分かるが、現実の経営は厳しい」と異論を唱えるかも知れない。-(前出)
そう、いろんな人とお話をすると、必ずこのお言葉を頂戴します。更には昔、漫画の野口英世物語にも「自分の愛する妻や子供を幸せにできないようで何で世の中のよそ様を幸せにすることができるんだ!」と野口英世は怒鳴られていた場面があったような気がします。(野口英世が言ってたんだっけな?それでも彼は世界に打って出る、みたいな感じだったような、、。)
全部のことをまんべんなく実現できれば一番良いし、良いに決まってます。周りのことばかりしていたら、家庭は崩壊するでしょうし、そもそも活動が継続できなくなってしまい兼ねない。だからといって今この地球の状況を鑑みるに、身内の利益ばかりを追求していては立ち行かない状況になっているんじゃないかなとも思うんです。この2つの相反するような、表裏一体にも思えること、これ根本的で重要な問題です。
だからソーシャルビジネスなんだと思います。NPO法人が(もちろん企業も)社会事業を継続できるよう、活動スタッフの給与が得られるよう、活動を通じて利益を追求し、常に世界に目を向ける人が一人でも多くなれば良いなと思っています。
NPO法人、認定NPO法人の設計事務所やデザイン事務所が今後もっと増えていっても良いんじゃないでしょうか。設計の力、デザインの力で社会的課題の解決をするということを第一義とする考えがもっともっと根付いていけばなと思い、そんな活動を永続的にしていきたいです。
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