島根県立石見美術館と、島根県立いわみ芸術劇場からなる複合施設です。平成13年にコンペで内藤廣建築設計事務所が選定され、平成17年に竣工、開館し、実に9年の月日が経ったことになります。
石州瓦を壁にまで用いた大胆なデザインです。内装の床、中庭の床に至るまで、建物全体が石州瓦を連想させるような、一体感に包まれるような石州瓦の黄金色のイメージで統一されていて、見る者を圧倒させます。
建物に近づき、建物の中に入るとその素晴らしさはとても良く分かります。でも、ホームページにも設計者の内藤さんのメッセージとして記載されているような「ここから始めましょう」というまちと建築の一体感を示すような印象は残念ながら、道を歩いていて建物を初めて見た時はそのように感じることはできなかったです。簡単な言葉で言うと、街に対して閉じてしまっているのです。少なくともそう感じてしまいました。辺りが割と静かな住宅街というのもあるのかも知れません。ただ、街と建物、芸術文化を一体的に示すのには、もう少し違った設計のアプローチもあったのかなあと思わざるを得ません。作り手、生みの親、設計者も施主も、彼らがどう考えるのかも重要ですが、これからは特に、自分たちがどう考えるのか以上にどう見られるのか、周りはそれをどう使っていくのか、それを強く意識することもとても重要なこと、と思います。経過を長い期間一緒に見守っていくこともとても重要です。
「美しい日本のデザイン」展がやっていました。じっくりと展示に見入ってしまいました。自分としては渡辺力さん、柳宗理さんがデザインされた椅子が好きです。木工の椅子たちです。「おしり」という人間が空間に触れる中でも最も敏感に反応する部分が常に身近に感じるモノだからとても奥深いと思うからです。それをデザインする、とても難しいし、とても興味ある部分です。
パソコンなども今よりも勿論普及していなかった時代、ひとつのことに打ち込むその姿勢を強く感じました。
次回来た時は、中庭に水盤張られた状態見てみたいなあと思いました。
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