先日テレビ番組で鳥取県東伯郡湯梨浜町のはわい温泉が映し出されていた。
クローズアップされていたのは「千年亭」というホテル。
大勢の団体のお年寄りの方々が楽しそうに大型バスから降りてこられ、
千年亭に入って、その後温泉に入るシーンと続き、最後は大広間で
演劇を楽しむ、といった流れだった。とても良い感じだな、と素直に思った。
地元の人のみならず、近県各地から訪れてくるのだそう。
お年寄りの聖地とまではいかないまでも、楽しみの一つには必ず
なり得ているだろう。
地方は経済が衰え、人口も年々減少し、お年寄りばかりが多くなっているという現実。
でも、そこに映し出されていたお年寄りは、皆、元気だった。心から温泉や演劇を
楽しんでいるように見える。このテレビ取材の際の劇団は藤間劇団。
2ヶ月間住み込みで毎日演じているのだという。
上演期間が過ぎたら、またどこかの温泉旅館や、舞台大広間があるところに
移動するのだろう。
こういう人たちが、直接、お年寄りを支えているのだな、と思った。
継続してお年寄りを中心とした方々に芸を披露し、元気になっていただく、
活力の源にしていただく。
自分は建築に携わって、やれ何を建築するだの、町おこしだ、町作りだと言っているが、
それ自体は、良いと思うのですが、自分で言うのも難なのですが、要は継続してやって
いかなければ、何の意味もないものだと思うのです。なにかモノを考えて、設計して
おしまい、造って建てておしまい、それだけじゃはっきり言ってやらない方がまだまし。
更に言えば、そして裏から言えば、続けてその町なり、建物なりに関われるような
仕組みを最初から組み込んでおく、仕掛けておくこともとても重要。
持続可能なとか、サステイナブルなとかいう単語がはやってるけど、それって、
すごく大括りな言葉で、いろいろ意味持ってる。
建築やまちづくりに限った言葉じゃないと思う。人の関わりが一番だ。
訪れる人々が時にはっとし、心に残り、普段利用している人がまあまあ満足し、
そして自分も納得のいく、そんな場所に根ざしたモノを造って、
そして考え続けていきたいです。
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